時を刻む芸術品「トゥールビヨン」

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時を刻む芸術品「トゥールビヨン」

人気ブランド「FRANCK MULLER(フランクミュラー)」の腕時計【トゥールビヨン】の人気の秘密や豆知識などブランディアならではの視点でご紹介させていただきます。

トゥールビヨン時計の歴史

 トゥールビヨン機構は、機械式時計が重力の影響によって正確さが損なわれることを防ぐための複雑で繊細な機械じかけの装置です。トゥールビヨン機構は18世紀の天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲによって発明されました。当時、携帯される時計といえば懐中時計でした。ポケットの中でずっと同じ姿勢で持ち運ばれることが多い懐中時計は重力の影響を受けて狂いやすいものだったため、トゥールビヨン機構は画期的で実用的な発明でした。

 トゥールビヨン機構を腕時計に搭載する試みは1930年頃から始まりました。最初のトゥールビヨン腕時計は、フランスのLIP(リップ)という会社が製造しています。1940年台にはオメガやパテック・フィリップが試みています。しかし腕時計の場合、上下左右さまざまな向きの姿勢になり得るため、懐中時計向けのトゥールビヨン機構に多少改良を加えて腕時計に搭載したところで、期待されるほどの実用的な効果は得られませんでした。さらに1960年台に入るとクォーツ式時計が市場を席巻し、機械式時計の生産自体が衰退しました。

 けれどもその後1983年に、トゥールビヨン機構はBREGUET(ブレゲ)ブランドによって復活を遂げました。機械式時計は1980年台後半頃から人気が再燃し始めましたが、このブームと軌を一にして、トゥールビヨン機構を搭載した時計は高級時計として人気を博したのです。

 近年では多くのブランドによってトゥールビヨン機構搭載の腕時計が作られています。1992年には中国の蘇州市出身の時計師、矯大羽(きゅうたいゆう)がアジア初のトゥールビヨン腕時計を作っています。そうした中、大量生産でコストダウンするメーカーも現れ、安価なトゥールビヨン時計が出回り始めました。フランクミュラーの「ロングアイランド トゥールビヨン」のように正規品で2千万円もする高価な時計が存在する一方、中国製で10万円以下という激安価格のトゥールビヨン腕時計も売られているのが昨今の現状です。

フランクミュラーの「トゥールビヨン」

 フランクミュラーは、1986年に「フリーオシレーション トゥールビヨン」を発表して以来、数多くのトゥールビヨン機構搭載の腕時計を製作しています。「トゥールビヨン」は、複雑時計と高級時計の代名詞であると同時に、フランクミュラーブランドにおいては代表的な製品名の一つです。

 トゥールビヨン機構は、自動巻きムーブメントが重力の影響を受けて狂ってしまうのを防ぐという意味では実用的な装置です。しかし、機械式時計の存在意義が、実用性よりも趣味的な収集品や社会的地位の象徴へと変わってしまった今では、むしろ機械仕掛けの美しさが注目されています。そうした事情をわきまえてか、フランクミュラーの「トゥールビヨン」コレクションは、多くの場合、丈夫なガラスを通して機械の動きの一部が見られるスケルトン仕様になっています。中には「トノウ・カーベックス スケルトン トゥールビヨン」のように、ケース内部の機械部分が丸見えになっている商品もあります。こうなると、時刻を知るためというより、トゥールビヨン機構を楽しむための時計と言っても良いでしょう。

 フランクミュラーの腕時計の大きな特徴の一つに、時計のデザインに哲学や物語性が垣間見えるという一面があります。「インペリアル トゥールビヨン」は、とあるアジアの王侯貴族が持っていたトゥールビヨン機構搭載の懐中時計が頻繁に故障したので「この時計には悪魔が棲んでいる」と思われ忌み嫌われた、という逸話から着想を得て作られています。時計の心臓部にあたる脱進機を人間の生命になぞらえ、この時計を身につける人が災厄から守られるようにという願いが込められたデザインだということです。また、裏蓋から透けて見えるムーブメントの部分には繊細で上品な彫刻(エングレイブ)が施されています。まさに機械の動きを眺めて楽しむ芸術品と言えるものです。

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